黒留袖レンタル

着物選びの失敗談

今からちょうど12年前になります。なんだか、ずいぶんと遠い日のように思えるけど…。

 

梅が咲き始めた2月下旬のまだ肌寒い日に、私と主人は東京のホテルで結婚式と披露宴をしました。お式は親族だけ、披露宴は昔からの親しいお友達もお招きして、ささやかに行いました。お色直しも、ケーキ入刀もなしにして、来て下さった皆さん全員に感謝の気持ちを伝えて、お食事を楽しんでもらうという披露宴でした。
一生に一度の晴れの日なのに、ここで、ちょっとした事件がありました。
新郎新婦の母と言ったら、普通、黒留袖を着るじゃないですか!?余程のことがない限り。レンタルしてでも絶対に黒留袖。


なのに、うちの母は、どういう了見なのか、黒のロングスカートに白のジャケットというカジュアルな服装で来たんですよ。実の娘の結婚式に。主人側の親族も、私の親族(叔父叔母)も、年配の女性は全員黒留袖でしたから、何故、新婦の母がこんなカジュアルな服装なのか、私には全く理解不能でした。
実家の箪笥には、いつでも着られるように母の黒留袖がちゃんと整えてあったし、帯も小物もみんな揃ってました。季節も2月で、留袖を着るのに暑いことはなかったし、ましてやホテルの中でのことなので、汚れるとかいうことも気にする必要もなかったはずなのに。
なぜ、母は黒留袖を着なかったのか・・・!?聞いてみたら、

 

「着付けができない」ホテルで着付けしてくれたのに。
「汚したら洗い張りとか面倒」黒留袖レンタルを使えば良かったのに。
「黒留袖を着ると顔色が悪く見える」お化粧で何とでもなるのに。
「黒留袖なんて時代遅れ…」結婚式は流行を追及する場ではないのに。

 

どうもよく訳の分からない理屈を並べて言い訳するんですよね。結局、本当のことはよく分かりません。
でも、私の一生に一度の結婚式に母が黒留袖を着てくれなかったという事実が、私の心に深い傷を与えたのは事実です。結婚式のアルバムを開くと親族集合の写真で、一人だけ洋装で座っている母の姿を見ると、なんだか切なくなります。

 

まあ、そんなこと、当の本人はなんとも思ってないでしょうけど・・・、母はいつもそういう人なのですから。

 

いつか、自分の子供が結婚するときは、私は絶対に黒留袖を着ようと思っています。黒留袖レンタルも今はネットで簡単&リーズナブルにできます。自分の子供の前に、自分の妹・弟の結婚式で黒留袖を着たいな〜と願っているのですが、まだまだ予定がないようで、一体いつになることやら。